情報通信研究機構(NICT)は、これまでは手動でしか設定できなかった広域ネットワーク機器の位置情報(アドレス)を自動的に割り当てる仕組み「HANA」を使って、「広域ネットワークの自動構築」に世界で初めて成功したことを発表した。 「HANA」(Hierarchical Automatic Number Allocation)は、階層的・自動的に位置情報を割り当てる技術。これまでのDHCPでの自動アドレス割当ては、末端PCのみに対応していたのに対して、HANAは、企業内のルータや広域ネットワークのルータにおいても自動割当てが行える。 今回、広域テストベッドネットワーク「JGN-X」上で広域ネットワークの自動構築に成功したもので、自動構築された広域ネットワークは、実験室の模擬データセンタ、IPv4、IPv6ユーザー端末が利用できるネットワーク等から構成されたものとなっている。パソコンの他、これまで手動で設定していたルータにも、自動的に複数の位置情報が割り当てられ、各機器が複数の位置情報を持つことで、障害発生時に有効な迂回経路を確保できるとのこt。 今後、HANAによって構築されたネットワーク拠点を増やし、より広域なネットワークおよび大規模なデータセンターにおいても適用できることを実証していく予定。なお、NICTは、6月13日~15日に幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2012」において、本成果のデモ展示も行う。