イードは、自動車の新車市場で、スズキ「ソリオ」やホンダ「N BOX」など、近年各メーカーが新型車を投入し、販売台数も伸びている「スライドドアのコンパクトカー」カテゴリに注目。これらを“プチバン”と定義し、人気の理由について調査した。 スズキが2012年3月期の連結決算増益の要因に「ソリオ」の好調を挙げ、「N BOX」が軽自動車販売で2012年4月の車名別ランキングでホンダ車として、初のトップを取るなど、スライドドアのコンパクトカーの売り上げが伸びている。 このカテゴリは、トヨタ「ラウム」が1997年に開拓し、2004年のトヨタ「ポルテ」や、07年にスライドドア化されたダイハツ「タント」などの軽自動車が相次いで投入されたことにより、一気に市場が拡大した。近年はホンダ「フリードスパイク」や「ソリオ」「N BOX」など、各メーカーが相次いで新型車を投入している。 そこでイードでは「スライドドアや室内の広さといった“ミニバンの要素を持つコンパクトカー”」として“プチバン”を定義し、プチバン購入意向者とミニバン、ワンボックス購入意向者との比較から、「プチバン人気の理由」について調査した。 まず、プチバン検討者の年代構成は若年ファミリーが中心となっている。プチバン検討者の『次に購入する車を選ぶきっかけ』も、「子供が生まれる(生まれた)」が最も高い。 『次に購入する車に期待すること』として、プチバン検討者は“維持費の安さ”や“扱いやすさ”など、コンパクトカーの手軽さを重視する。その一方で「乗り降りがしやすい」や、「室内が広くゆったりとくつろげる」といったミニバンの利点も重視している。また『次に購入する車を検討するときに重視すること』として、プチバン検討者の77%が「スライドドア」を挙げている。 『次に購入する車に期待すること』は、プチバン検討者は、前述のように日常での「使いやすさ」を期待している人が多いのに対し、ミニバン、ワンボックス検討者は非日常の快適性を重視する。『次に購入する車についてどのような使い方を重視するか』については、プチバン検討者、ミニバン、ワンボックス検討者とも1位は「日常の買い物」だが、ミニバン、ワンボックス検討者は遠距離での使用を重視する。 アンケートの結果から、プチバン人気の秘密は「日常の身近なシーンでの使いやすさ」にあることがわかる。少子化によるファミリー層の多人数乗車ニーズの減少や、不況による「コストパフォーマンス意識」やレジャーの「安近短志向」の高まりといった時代の影響も伺える。調査方法……まず車の免許を保有している20〜60歳代既婚者を対象に計7万9412名から乗用車についての市場調査を実施。そのうち3年以内に新車でミニバン・ワンボックス/スライドドアをもつ背の高いコンパクトカーのいずれかを購入検討している人(自宅の車選び関与者)2148名を対象に、調査を実施した。