IDCでは、国内クラウドサービス市場は本格的な成長期を迎えているとしており、急速に拡大を続け、2015年の同市場規模は、2010年比5.6倍の2,550億円になると予測した。クラウドプラットフォーム(PaaS:Platform as a Service)およびクラウドインフラストラクチャ(IaaS:Infrastructure as a Service)は、消費者向けインターネットサービスの基盤、特定アプリケーションのカスタマイズ開発/実行、新規Webアプリケーションの開発/実行環境として高い成長を遂げたとしており、今後は、PaaS/IaaS上でバックアップシステムを構築したり、業務アプリケーションを稼働させるユーザー企業が増加するとみている。
ただし同社では、前回調査(2011年6月)と比較し、2012年以降の国内クラウドサービス市場予測をわずかに下方修正したとのこと。セグメント別では、クラウドアプリケーション(AaaS: Application as a Service)市場は上方修正、PaaS/IaaS市場は下方修正となっている。AaaS市場について、コラボレーティブアプリケーションの堅調な成長と、ベンダーによる産業特化型アプリケーションの順調な開発が見られ、ホスティング型のプライベートクラウドサービスが著しく発展しているため、PaaS/IaaS市場に与える影響を考慮したものだとしている。
《冨岡晶》