ケーブルショー2011のパナソニック出展ブースにて、参考出品ながら無線LAN機能を内蔵したSTBの次世代コンセプトモデルが展示されていた。 このSTBは、通常のケーブルTV番組の視聴や録画にPCのインターネット接続をサポートするだけでなく、HEMS(Home Energy Management System)とのリンクを前提に設計されていることだ。 HEMSは、エアコンやヒートポンプなどの家庭内空調設備やエネルギー機器に加え、スマートメータとも接続する予定だ。さらに、ホームセキュリティ関連の監視カメラやモーションセンサー、カメラ付きインターフォンなどとも接続可能だ。文字通り「ホームゲートウェイ」として、家庭内の家電・情報機器を統合管理するというものだ。 ホームゲートウェイと上記の各種機器との通信は、内蔵のWi-Fi対応のブロードバンドルータによって行う。STBとしての基本機能は4チューナー、2TBのHDDとなっており、試作機の外観は、通常のSTBの筐体にWi-Fiのアンテナが付いていた。インターネットとの接続はDOCSIS(Data Over Cable Service Interface Specifications)3.0をサポートするという。 ただし、これらはあくまで現時点での参考情報とのことで、最終的な製品ではどのような仕様や機能になるかは決まっていないそうだ。たとえば、外観についても、現状は平たい箱状の筐体だが、HEMSのコントローラのような機能を持つため、設置場所もテレビの近くとはかぎらない。この形状が最適かどうかは検討中だという。 市場への投入は2013年ごろを目指しているそうだが、説明員によれば、これらの機能は技術的な問題というより規格の問題、法律やインフラの整備ともかかわるため、現時点では詳細を確定できないという。