第14回組込みシステム開発技術展のNECブースに参考出展されている「フォトアルバミングソリューション」は、デジカメ、携帯電話といった組込み用途だけでなく、オンラインフォトストレージサービスなどにも応用できそうな技術だ。 「フォトアルバミングソリューション」は写真データを自動解析するミドルウェアを活用することで、写真データの自動タグ付け、アルバム生成などの高付加価値アプリケーションの実装を容易にする技術だ。 たとえば1枚の写真の中で、面積の7割以上に花が写っていれば花の写真と判断できる。テーブルの上にお皿が載っていて、その上に何かが盛り付けられていれば料理を撮影したものと判断できる。これはあくまでも単純な例だが、画像認識技術と分類済みの画像群の特徴量と比較することで、画像を適切に分類することができる。 また、撮影時刻を時系列に並べ、撮影間隔の密度を測ることで、同一イベントの写真であるかどうかも判断している。 「フォトアルバミングソリューション」は、こうしてカテゴリごとのタグ付けを行うと同時に、新規画像登録ごとにカテゴリ特徴量を追記学習していくことで高精度な分類を実現するという。 つまり、ただ写真を撮りためていくだけで、自動的に「誕生会」「運動会」「紅葉」「夜景」「料理」などのタグが付けられ、後から特定のカテゴリの写真だけを抽出することができるようになる。 実はこの技術、NECの携帯電話に搭載されている画像処理エンジン「PictMagic」の応用なのだという。「PictMagic」は、人物、花、風景、夜景、料理、夕焼け、桜、紅葉、雪などのシーンを自動認識して、部分的に補正をかけるなどの処理を行うが、その技術を利用しているというわけだ。したがって処理も軽く、携帯電話やデジカメのような組込み用途でも導入できるという。 世の中に、撮りっぱなしで写真の整理を面倒に感じる人は意外に多い。こうした機能が携帯電話やデジカメに標準で搭載されていれば、より多くの人が写真撮影を楽しめるようになるだろう。