第14回組込みシステム開発技術展のインテルのブースでは、Atom E600を利用した製品の展示が数多く並んでいる。その中の1つとして、Atom E600を利用した次世代の多機能タッチデバイス・コンセプトモデルが参考展示されている。 10.1インチタッチパネル液晶を搭載するタブレット型端末として提案されている同コンセプトモデルの特徴は、Atom E600とAndroid 2.2を組み合わせている点、そして豊富なインターフェイスだ。PCI Express×2を介してOKIセミコンダクタ製のメディアフォン向けのコンパニオンチップML7223Vを搭載しており、Gigabit Ethernet、SATA、USB2.0のほか、ネットワーク・セキュリティ(MD5、AES、SHA-1、SHA256等の暗号/復号化)などにも対応する。 またFeliCaモジュールも搭載しており、デモでは通販サイトでの電子マネーによる支払いも再現していた。 同コンセプトモデルの最大の見所は、やはりAtom E600とAndroidの組み合わせだろう。搭載OSはAndroid 2.2で、これを実装したのはターボシステムズ株式会社だ。同社はAndroidやMeeGoなどの組み込みソリューションに注力する企業である。 同社はAtom E600のビデオエンコーダ/デコーダのAndroid用ドライバも開発しており、10.1インチの液晶画面で滑らかな動画を全画面再生しているのは興味深い。 なお、ここではタブレット端末として、いわゆる「全部入り」として展示されているが、これがそのまま製品になるわけではない。あくまでもコンセプトの提案であり、興味を持ったメーカーやベンダーが、自社に必要な機能のみを実装して商品化していく性格のものだ。 実際に商品化されるのは、カーナビやデジタルサイネージのように目的が特化された製品かもしれないし、同コンセプトモデルのように汎用的なタブレット端末かもしれない。しかし、いずれにせよ、Android端末のハードウェア構成にAtom E600という有力な選択肢が加わったことは間違いない。