大日本印刷(DNP)とプラムシックスは22日、両社が開発した機密データのバックアップ保管システムが、千葉県がん登録室に導入されたことを発表した。3月31日より運用を開始する。 がんの治療に関しては、各地方自治体にがん登録室を設け、各地域のがん患者一人1人の診断結果、治療の経過や結果などのデータを長期にわたって保存・蓄積されている。今回千葉県がん登録室に導入したバックアップ保管システムは、DNPが独自開発したデジタルデータ分割分散保管システム『TranC'ert DNA(トランザート・ディー・エヌ・エー)』を使用して開発された。千葉県がん登録室は、1975年より約45万件のがん登録データを蓄積しており、今後は月4回程度、がん登録システムに蓄積した全データを、本システムを使ってバックアップ保管する。 TranC'ert DNAは、元データを複雑な法則で3つのファイルに分割し、それぞれ異なる場所に設置された3台のサーバにデータを分散保管する仕組みで、導入されたシステムは、データを暗号化するとともに、3つのファイルに分割してクラウド環境でデータのバックアップを行うものとなっている。それぞれのファイルに対して暗号化処理を行うため、各サーバには、分割し暗号化したデータだけが保管され、仮に外国の法律が適用されて、データ開示を求められた場合でも、元データを復元することはできないという。異なる3つのクラウドサービス会社にそれぞれのファイルを保管することも可能。 また対象となる暗号化ファイル、暗号アルゴリズム、鍵値等の要件をすべてICカードで管理しているため、暗号化されたファイルから元データを復元し、再度、新しい暗号アルゴリズムで暗号化して分散保管するという一連の処理を、自動的に行うシステムを提供できる。 両社は、データのバックアップ保管システムを、電子カルテなどの個人情報を扱う医療機関、安全保障などに関わる高度な機密情報管理が必要な諸機関をはじめ、幅広いユーザーに向けて販売し、2013年までに5億円の売り上げを目指す。
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