Fujitsu Laboratories of America Inc.と富士通研究所は12日、Javaプログラムで入力されるさまざまなデータに対して、プログラムの動作が仕様に合っているかを人手を介さず自動的に検証する技術を開発したと発表した。Webアプリケーション数万行の検証に成功したという。 この技術は、米国NASAが開発したJavaプログラム向け検証ツール「Java PathFinder」を拡張したもの。「Java PathFinder」は、火星探査機の制御システムの検証などに使われ、その成果は2005年にオープンソース化されていた。しかし「Java PathFinder」では数値型の入力データしか扱えず、業務アプリケーションなどの動作を検証するために、文字列型データへの対応が求められていた。富士通研究所は、この課題を解決するために、Java PathFinderのシンボリック実行モードで文字列を扱う技術を開発し、検証の適用範囲を拡大した。 今回開発された技術では、入力された文字列に関連する条件を自動的に抽出し、コンパクトな表現形式でモデル化することにより、シンボリック実行を効率良く行うことを可能とした。また文字列のシンボリック実行機能を拡張するための共通インターフェイスを開発。これにより、Java PathFinderの利用者はモデル化方式などの変更や独自の拡張をより簡単に行える見込みだ。なお、今回開発された技術の一部は、あらためてNASAに採用され、共通インターフェイス部分がオープンソースとして公開されるとのこと。