マイクロソフトは27日、同社の組込みOS製品によるカーナビ開発の最新情報を紹介するセミナーを新宿本社にて開催した。「Microsoft Car Navigation Day 2008」と題した本セミナーは午前と午後の2部に分かれ、午前の部では、「Microsoft Auto 3.0」および「Windows Automotive 5.5」を中心とした車載情報端末向け製品の最新情報が、デモを交えて紹介された。
マイクロソフトの「Windows CE Core」をベースとする組込みOS製品のなかで、欧米の自動車メーカー向けに開発されている車載プラットフォームが「Microsoft Auto」となる。「Microsoft Auto 3.0」は「Windows CE 6.0 R2」ベースで開発されており、機能としてはメディア接続やBluetoothハンズフリー通話、音声認識・操作、デバイスマネジメントといった、多様な接続をサポートしているのが特徴だ。
Microsoft Autoは、伊フィアット(Fiat)の車載情報端末「Blue&Me」、米フォード(Ford)の「Sync」を汎用製品としたものであり、あるアンケートによれば79%の人が「Blue&Me搭載の有無は車購入時に大きく影響する」と回答したという結果もあるとのことで、欧米での評価は高いようだ。
「Microsoft Auto」に接続可能なデバイスとしては、Zune、MTP(Media Transfer Protocol;USBなどのポータブルデバイス上のコンテンツにPCのMedia Playerからアクセスするためのプロトコル)デバイス、iPod、USBやSDカードといったマスストレージなどがある。
またデジタル著作権管理「DRM」に対応しており、Windows Media Auto、Apple DRM(Fairplay)を標準搭載するとともに、新しいDRMに対する拡張性も確保。オーディオに関しても、MP3、WMA、PCM WAV、AAC codesといった一般的なコーデックに対応している。
◆Bluetooth
Bluetooth 2.0+EDR(Enhanced Data Rate)に準拠し、車載情報端末とのペアリング、ハンズフリー、ダイアルアップデータ接続、A2DPを使用したオーディオストリーミングに対応している。
11月14日に出荷開始となった「Microsoft Auto 3.1」は、3.0から大幅な変更点はなく、ポータブルオーディオのプレイリストの扱いなどの接続機能の拡張や、対応携帯電話機の拡大、Live Searchへの接続対応といったことが行われている。
◆フォード社「Sync」のデモ
セミナーの最後では、米フォード(Ford)の「Sync」を使ったデモが行われた。端末から「Please say a command」とアナウンスがあった後に「USB」と言うと、USB接続デバイス内の音楽を自動再生したり、電話モードに切り替えて相手の名前を言うと自動的にダイヤルするといった様子が紹介された。
《柏木由美子》