日本テキサス・インスツルメンツは10日、リアルタイム制御が可能な32ビットコントローラ「TMS320F2802x/F2803x」ファミリーを発表した。量産出荷時の参考価格は240円から。サンプル出荷は2008年12月より開始される予定だ。 TMS320F2802x/F2803xは、高度なアーキテクチャと高集積のペリフェラルを38ピンパッケージから取り揃え、コストが厳しく抑えられているアプリケーション向けに32ビットのリアルタイム制御を実現したもの。同社では、ソーラーパワー・マイクロインバータ、LED照明、白物家電、およびハイブリッド車載バッテリーといった産業用、民生用、ならびに車載用アプリケーションに最適としている。 TMS320F2802x/F2803xには、プログラム制御アクセラレータ(CLA)や、150ピコ秒パルス幅変調(PWM)動作の高集積のペリフェラルといった最新の機能が装備される予定だ。CLAは複合高速コントロールアルゴリズムを動作させ、メインCPUを開放してI/Oやフィードバック・ループ指標を処理すべく設計されているため、共通のクローズドループ・アプリケーション向けに最大5倍の性能向上が可能だ。また、オンチップの4.6MSPS速度と12ビットのADコンバータを搭載し、設計プロセスの簡素化とコスト削減を実現する。さらに、2基のオンチップ発振器は10MHz、それぞれ誤差±1パーセントという正確さで動作するため、外部発振器が不要となっている。シングル電源アーキテクチャによって、外部電源ICは不要で、電圧低下防止やパワーオンリセットの際には1.9Vの内部レギュレータにより3.3Vの単一電源で動作する。 なお、TMS320F2802x/F2803xコントローラベースの開発キット「controlCARD」は、2008年12月より供給が開始される。