日本テキサス・インスツルメンツは29日、分解能16ビット 800MSPSのD/Aコンバータを2チャンネル内蔵した新製品「DAC5688」を発表した。 「DAC5688」は、販売中の16ビット 500MSPS 2チャンネル D/Aコンバータ「DAC5687」を元に開発されており、基地局やSDR(ソフトウェア無線)、計測機器などのアプリケーションにおいて、送信回路の実装面積を低減し、かつ性能を向上させることができる。また9mm角の64ピンQFNパッケージを採用し、既存製品と比べて67%の実装面積を低減させた。 「DAC5688」はWCDMA、TD-SCDMAをはじめとする現行の第3世代携帯通信基地局をはじめ、 WiMAX、LTEなどの第4世代携帯通信基地局のあらたなアプリケーションで要求される、より厳しい要求性能を実現することが可能となっており、たとえば、出力周波数が70MHzの場合、シングル・キャリアWCDMAで81dBcのACLR(隣接チャンネル漏洩電力比)性能を実現したとのこと。800MHzまで動作する32ビットNCO(数値制御発振回路)により、高精度な周波数設定が可能なほか、D/Aコンバータ特有のsin(x)/xロールオフ特性を補償するデジタル方式の逆SINCフィルタ、デジタルQMC(直交変調補正)機能を内蔵する。 1,000個受注時の単価(参考価格)は29.95ドル。