5Gでこれからの仕事がより効率的に変わる!
「MWC 2018」では、ドコモの吉澤和弘社長が基調講演で5Gに対する取り組みを説明しました。幅広いパートナーと共に5Gの新たな利用シーンを創出するため、ドコモでは「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」を2018年2月21日から開始。5Gの技術や仕様に関する情報を提供したり、パートナー間の意見交換などをおこなうこの取り組みに、610を超える企業・団体が参加を表明。これまでにも15のパートナーとの協業により、5Gの新たなサービス創出の取り組みをおこなっているそうです。


基調講演では5Gの取り組みの一例として、コマツとの5Gを用いた建設現場のICT建機の遠隔制御システムや、和歌山県立医科大学との遠隔診療の実証試験が紹介されました。


この基調講演をより具体化するべく、ドコモのブースでも5Gを使ってどんなビジネスができるのか、産業がどういう風に変わるのかというユースケースをリアルなカタチで展示していました。
中でもドコモと新日鉄住金ソリューションズが共同開発した人型ロボットを使用しての書道のライブビューイングは、毎回、多くの人で賑わっていました。これは5Gの低遅延という特徴を活かしたデモで、人の動きをロボットに遅延なく伝えることで、ロボットが書道を披露。デモンストレーションでは書道でしたが、この技術を活用することで、人が立ち入れない危険箇所で遠隔作業をしたり、遠隔診療や遠隔手術も可能になります。


基調公演で紹介されたコマツとドコモの取り組みは、実際の現場を模したセットを用意。ICT建機を遠隔操作することに加え、SAPジャパンとオプティムも含めた4社で協業する「ランドログ」についても紹介していました。これは5Gの多接続性を活かして建設現場の様々なものを繋ぎ、現場の効率化を図ることが狙い。土木の現場では1日の作業によって、どのように地形が変わったのかが重要。ドローンを飛ばして地形を測定したり、その日の天候などに応じて建機が採掘する土の量や、その土を運ぶダンプの数を自動的に判断して指示を出すなど、様々な方法が検討されているそうです。

5Gを使用するとエンターテインメントがもっと面白くなる!
エンターテインメント面では、フジテレビと共同で、スポーツ観戦の新しいスタイルを提案。スーパーフォーミュラーを題材にして、ジオスタ(ジオラマスタジアム)のデモをおこなっていました。盤面は鈴鹿サーキットの俯瞰の映像ですが、これにスマホをかざすとARを表示。ドライバーの情報が表示されたり、スピードとアクセル、ギアの回転数などをマシンごとに確認することができます。デモではマークを読み込むことでARを表示していましたが、最終的にはアプリをダウンロードして、同じような情報を観られるようにすることを目指しているそうです。リアルタイムの中継の場合、膨大な映像容量になるので、5Gであることが不可欠。競馬やサッカーなどにも利用できるので、未来のスポーツ観戦はより詳しい情報を知ることで、さらに盛り上がれるかもしれません。


ソニーが開発したニューコンセプトカートの4Kディスプレイを活用した、高精細映像のリアルタイム伝送も体験することができました。このカートには窓がなく、外に取り付けた超高感度イメージセンサーの映像を4Kディスプレイに表示。以前、沖縄でおこなった実証実験では、夜間にゴルフコースを自動運転しながら、動物の映像が流れるコンテンツをディスプレイに表示したそう。まるでサファリパークみたいですね。まだ法律の問題があるので実際の道路は走ることができませんが、仮に実際の走行中の映像を配信すれば、遠隔地の家族や友達とも、一緒にドライブを楽しんだりと、いろいろな活用方法が考えられそうです。


ドコモブースで遠隔操作や未来のエンターテインメント、自動運転のコンセプトカートなど、5Gの様々な活用方法を体験することができて、俄然、興味がわいてきました。5Gのサービスは日本では2020年を目安にしていますが、グローバルでは2019年からスタートするところも。もう間もなく始まろうとしている5Gのサービスで、今の暮らしがどのように変わっていくのか楽しみです。

※今さら?いや、今こそ学びたい「5G」