トレンドの峡額縁デザインにしなかった理由については、アンテナの感度などスマホとしての基本性能と品質を担保するためだったと染谷氏が説明している。ディスプレイサイズを可能な限り大きく・見やすくしながら、本体の横幅サイズは片手持ちによる操作がスムーズにできるようスリムにしている。どちらのモデルもディスプレイが縦方向に長くアスペクト比を18対9とした。
カメラのデュアルレンズ化はなぜ見送られたのだろうか。実は今回のMWCでは少し先の未来に向けて、ソニーが独自のスマホ向けデュアルレンズカメラユニットを開発していることも発表された。試作したモジュールのデモンストレーションもブースで公開されているが、ほぼ真っ暗な環境にカメラを向けても明るさと色合いを保った動画や写真を撮れる驚きの性能を実現している。
ISO感度は静止画撮影時51200、動画撮影時で12800にもなるという。ボケ味のコントロールができるのか、広角・望遠でズーム比率の仕様を変えるのかなどその他の詳しい仕様については明らかにされなかったが、時期的にはおそらくそう遠くない頃に発売されるXperiaに搭載されることになるだろう。今回発表されたXZ2/XZ2 Compactとどちらを選ぶべきなのか悩ましいところだ。

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■イヤホン端子がなくなった
現行モデルのXperia XZ1と比べて大きく変更された点はアナログのイヤホン端子がなくなったことだ。この決断の背景にある理由として染谷氏は、ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンの人気が高まってきたことを挙げている。スマホの商品パッケージにはUSB Type-Cから3.5mmアナログイヤホンジャックへの変換アダプターが付いてくるので、現在使っているお気に入りのイヤホン・ヘッドホンが使えなくなることはないが、アダプターも一緒に持ち歩かなければならない煩わしさや、紛失してしまう不安は付きまとうことになるかもしれない。なおソニーブランドのUSB Type-C接続のイヤホン“第一号”「SBH90C」も同時期に発表されている。こちらを相方に使う手もある。
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XperiaとしてスマホのAI(人工知能)まわりの機能にはどのように取り組んでいるのだろうか。メーカーの中にはサムスンの「Bixby」やLGの「ThinQ」のようにスマート家電とのホームネットワーク連携も含めてAIプラットフォームをブランディングして力を入れるケースもあれば、HuaweiのようにオンデバイスでAI機能を実現するために性能を高めたSoCを独自に起こしたケースもある。ほかにも有名なスマホのブランドから「AI対応」のメッセージが賑やかに聞こえはじめてきた。
Xperiaでは早期からスマホのカメラで被写体となるシーンやオブジェクトに最適化されたキレイな写真をかんたんに撮れる「プレミアムおまかせオート」や、ユーザーの睡眠サイクルに合わせて寝ている間に内蔵バッテリーに負担をかけずに充電してくれる「いたわり充電」などの機能を搭載してきた。同社ではこれを”インテリジェンス機能”と呼んできたが、まさしくいま各社がAI対応として看板に掲げているエッセンスが多く含まれている。
ただ、AIアシスタントを搭載したスマートスピーカーが日本を含む世界各地で注目されるようになったいま、AIの方がインパクトとして強く残るキーワードであることは否めない。もしかするとXperiaも今後何らかの形でAI対応を前面に打ち出していく必要があるのかもしれない。
注目のXperia XZ2/XZ2 Compactは今春から世界各地域で販売がスタートする。日本にはいつ上陸することになるのか楽しみだ。