スキャナにしても書類をスキャンするためのコンパクトなドキュメントスキャナがいくつか発売されており、かなり普及している。たとえばPFUのXi100などは非常にコンパクトになっている。Wi-Fiにも対応しており、パソコンとワイヤレスで接続し、スキャンデータを送ることができる。とはいえ、サイズはスマホよりもだいぶ大きく、気軽に持ち運べるものではない。
スマホであればスキャナアプリを使ってドキュメントをスキャンすることができる。ただし、的確なスキャンをするにはけっこう気を遣うし、光量不足で暗い画像になってしまうこともある。処理スピードも速くない場合もある。
そんな状況のなか、スマホのようにポケットに入り、より手軽に的確にドキュメントをスキャンすることができるデバイスが登場した。それが「PUP Scan」だ。
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■ポケットに入るデジタルスキャナ
PUP Scanは現在、Indiegogoに出品されている。昨年10月には日本のCEATECにも出展されていて、僕はフランス人のCEO的な関係者と少し話をする機会があった。Indiegogoでは現在、PROTPTYPEステージにあって開発の詰めにあり、発送開始予定は2018年の4月になるという。
僕が10月に見せてもらったときも、まだ完成していなかったが、基本的な機能はアクティブだった。そこで、このPUP Scanがどんな機能を持っていて、完成品ではどうなるかを説明してもらった。
大雑把に言えば、底部にカメラがあるスティック型のスキャナで、上部のシャッターボタンを押すことでスキャンできる。側面上部にディスプレイがあり動作モードや、スキャンした画像をどのストレージに送るか?などを設定することができる。ごくシンプルな構成であり、手早くドキュメントをスキャンすることができる。
「しかし、こういうのはスマホでもアプリでできますよね」と言った僕にPUPの人は「このデバイスはスマホよりも素早くスキャンできるし、LEDライトで明るい画像をスキャンできるんだ」と言った。



PUP Scanはスキャン時に赤いライトでキャプチャするフレームを投影してくれるので、スキャンする場所を指定しやすく、明らかにスマホのスキャナソフトよりも素早くスキャンできる。
そして、底部にはカメラレンズだけでなくLEDライトが搭載されていて、画像をより明るく撮影できるのだ。そのスキャンが上部のボタンを押すだけでおこなえるイージーさがこのスキャナの利点だ。
スキャンされた画像はあらかじめ設定したストレージやSNSやプリンタに送られる。
本のように紙がカーブした素材の場合、自動補正機能でまっすぐした状態の画像として保存される(Curve-fix)。まあ、これはスマホのスキャナアプリなどでもできることではあるが。
■基本スペックも
スペック的なことを言うと、サイズは長さが13.5センチで幅が3.2センチ。そして重量は200g。問題なくポケットに入れて持ち歩くことができるだろう。
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A3からA8用紙までのスキャンが可能で、8時間の駆動時間があり、2000ページのスキャンデータを保存できるので、たいていの仕事に十分に使えることだろう。とはいえ、このPUPの最大のメリットはいつでもポケットに入れておいて、必要なときに素早くスキャンできることだ。
前述のようにPUPは現在、Indiegogoでプロトタイプステージにあり、注文しても発送は2018年4月の予定になる。価格は市販価格が$389USDなのだが、原稿執筆時点では$299USDにディスカウントされている。1ドルが110円だと3万3000円ぐらい。機能を考えればリーズナブルな価格だ。仕事で素早くドキュメントをスキャンしたい人にはかなり便利なアイテムといえるだろう。