ここ数年、いわゆる「監視カメラ」の進化が目覚ましい。これまでなら映像を記録するためのツールに過ぎなかったのが、画像認識技術の向上により、リアルタイムでの侵入者検知や何が起きているのかの把握など、さまざまなことができるようになった。 そうしたなか、東芝情報システムは、パシフィコ横浜で開催された「Embedded Technology 2016」及び「IoT Technology 2016」に出展した東芝グループのブース内で、「自立型インフラレス監視システム」という映像監視に必要な各種機能をオールインワンにした監視カメラシステムの展示を行った。 ぱっと見では監視カメラに見えないルックスをしているが、2つのカメラを1つにまとめたいわゆるステレオカメラで、本体にSIMを搭載することができるので無線通信が可能で、さらに本体にストレージを搭載しているので本体側での録画もできる。また、電源に関してもバッテリー駆動にも対応しているため、従来の監視カメラよりも簡単設置が可能で、イベントや工事現場などでの短期間の利用などにも適している。 画像認識技術による検知機能に関しては、同社の組み込み画像認識ミドルウェア(CVNucleusシリーズ)を搭載しており、機能によっては、オプション対応となることもあるが、本体自体がステレオカメラであることを活かして、被写体とカメラの距離を算出したり、被写体が遠ざかっているのか、近づいているのかといった移動方向やスピードの検知・通知が可能だ。 また、拡張機能となるが、顔認証にも対応しており、あらかじめ顔画像を登録しておけば、カメラに映った人物が誰なのか?ということも分かる。ちなみに顔認証というと昨今では、NECの技術がよく知られているが、東芝グループでもかねてから顔認証技術を研究・開発しており、世界的にも高い評価を受けている技術の1つといえる。 カメラの仕様に関しては、1,280×1,080/30fpsピクセルに対応し、拡張機能により、望遠、魚眼、赤外線にも対応。用途としては、資材置き場や神社仏閣での人物特定やエリア監視による防犯監視、介護・医療現場での見守り活用、イベント会場での混雑検知や異常監視などが想定される。 同システムは、現在は製品評価中で、来春の量産化に向けて開発を進めている。同時に監視カメラ市場に知見を持つパートナー企業との連携なども視野に入れており、現在、協業できるパートナーを検討中とのこと。
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