ヤマハと東海旅客鉄道(JR東海)は3日、東海道新幹線の駅構内において、ヤマハが開発したアプリケーション「おもてなしガイド」を活用した多言語対応サービスの実証試験を実施すると発表した。期間は8月26日から2018年3月まで。 「おもてなしガイド」は「音のユニバーサルデザイン化」を支援するシステム。同システムを導入することで、日本語のアナウンスを流すと、利用客のスマートフォン等にその内容を多言語化された文字情報として提供することが可能となる。 既存のスピーカーやアナウンス設備などを活かしたまま導入でき、自動放送にも肉声アナウンスにも対応させることができる。システムを経由して流れるアナウンスは通常の音声と変わらないため、翻訳情報を必要としない利用者の利便性を低下させる心配もない。 利用者は「おもてなしガイド」公式アプリを手持ちのスマートフォン等にインストールし、アプリを起動した状態で日本語のアナウンスを受信すると、任意の言語に翻訳されたテキストでアナウンスの内容を確認できる。訪日外国人に加え、高齢者など音を聞きづらい利用者にとっても有益なサービスといえるだろう。 今回の実証試験では、東海道新幹線の一部の駅で本サービスを試していく。鉄道環境下での音声認識の正確性やシステムの安定性など技術的な課題を確認するとともに、その有用性について検証していく。 専用アプリはダウンロード・使用料金ともに無料で、対応機種はiOS 8.0以降。Android版は現在開発中とのこと。「おもてなしガイド」の対応言語数に制限はないが、今回の実証試験における対象言語は日本語、英語、中国語(繁体・簡体)、韓国語、タイ語、フランス語、スペイン語となっている。