東日本旅客鉄道(JR東日本)は12日、山形県酒田市に突風を探知するためのドップラーレーダーを新たに設置することを発表した。7月下旬に着工し2016年度内の完成を予定している。 2005年12月に発生し、乗客5人が亡くなったJR羽越本線脱線事故は、風速40m/sを超える突風が原因と推定されている。JR東日本はこの事故を受けた対策として、2007年に羽越本線余目駅にドップラーレーダーを設置。気象庁気象研究所と共同で、突風を探知する研究開発を進めてきた。 今回、同社はこれまでの研究成果を踏まえ、より高性能なドップラーレーダーを観測に適した山形県酒田市に設置し、引き続き突風を探知するシステムを用いた列車運転規制の実用化を目指して検討を進めていく。これに伴い余目駅に設置していたドップラーレーダーは撤去される。 ちなみにドップラーレーダーとは、上空にある雨などの降水粒子からの反射波を用いて、その粒子の速度と方向をドップラー効果により計測する装置。同社が開発中の突風を探知するシステムは、ドップラーレーダーを用いて上空にある雨粒の動きから渦を探知し、その渦が線路に近づく場合に警報を発するというもの。