自分が住む地域周辺の避難場所、地域特有の災害リスクなどを平常時から学んでおくことは、いざという時に迷わず行動でき、安全に避難できるというメリットがある。それだけに政府や各省庁でも、防災教育の必要性を折に触れて呼びかけている。 そうした防災教育として、ユニークかつ実践的な取り組みが、「第20回自治体総合フェア2016」で展示されていたので紹介していこう。「段ボールジオラマ防災授業」と題された取り組みは、ゼンリンが地図協力を行い、一般社団法人防災ジオラマ推進ネットワークが主に小中学生を対象に行っているもの。 ポイントになるのは、地図が印刷された段ボール製のジオラマパーツを子どもたちが組み立て、色塗りをさせ、ジオラマを作り上げるという点。端から見れば、図工の授業のような内容となるが、製作過程で、学校周辺の地形や、ランドマークとなる建物を把握したり、避難場所へと続くルートの高低差などを体感できることで、より実践的な防災教育が可能になるという。 また、子どもたちに実際に街を歩いてもらい、AEDの設置場所、避難所、避難場所、危険箇所、災害用自動販売機などを調べてもらった上で、作り上げたジオラマにマッピングしてもらうことで、より深い防災学習にも活かすこともできる。 さらにマッピングまで終えたジオラマは、学校や公民館などの地域施設で展示したり、プロジェクションマッピングにより、ハザードマップや古地図などと組み合わせて防災啓蒙ツールとしても使うことができる。