『海猿』『ブラックジャックによろしく』などの作品で知られる漫画家の佐藤秀峰氏が、自身の作品について「海賊版を読みたい人はどんどん読んでください」とした発言について真意を説明した。 佐藤氏はヒット作『ブラックジャックによろしく』のデータを無償公開し、二次利用についてもいち早くフリー化を実行したことでも知られる。 今回、自身の作品『特攻の島』の電子版がkindle売れ筋コミックランキング1位以下を独占したことを受け、18日にTwitterで報告するとともに、「一方、『特攻の島』海賊版をダウンロードできるサイトも急激に増えています。 海賊版を読みたい人はどんどん読んでください。 読んでもらえれば何でもいいです」と呼びかけてネット上で話題となった。 反響を受け、佐藤氏は改めてFacebookで真意を説明。「海賊版のアップロードという違法行為までは容認はしませんが、読む分には合法です」とした上で、「個人的には読んでもらえれば何でもいいです。どんな形であれ、読めば作品のファンになってもらえる自信はあります。作品を読むまでの過程によって、僕はファンを差別しません」と海賊版ダウンロードを容認した考えを明かした。 また、「海賊版を読む人はそもそも正規版を購入する客層ではないのでしょう」と推測した上で、「もしも、正規版を購入する客層が違法サイトに流出してしまっているのだとしたら、『特攻の島』はKindleの売れ筋ランキングからあっという間に消えるはずですが、そのような現象は今の所起こっていません」と、海賊版利用者は少数であることを示し、「11円で買えるコンテンツを、後ろめたさを抱えてまでタダ読みしたい大人は多くないのです。お金のない10代の子供たちが読んでいるのだとしたら、『大きくなったら買って読んでね』と思うだけです。潜在的な顧客の数を増やしておくことは常に重要です」と私見を述べた。 佐藤氏は「海賊版の存在によって正規コンテンツのアイデンティティが脅かされたり、売り上げが下がってしまったというデータは今の所ありません」と主張。海賊版について「『著作権の侵害だ!』と叫ぶことは簡単です。だけど、権利だけ主張しても1円にもなりません。運用してこその権利です」との持論を展開した。
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