■編集方針は? BuzzFeed Japan創刊編集長に就任した古田大輔氏は、新メディアの編集方針を説明した。これまで朝日新聞など、紙媒体を中心にキャリアを積んできた古田氏。「BuzzFeedの文化に共感し、クールだと感じた」と、まずは同社に移ったきっかけを説明した。 BuzzFeedに掲載される記事は、ほぼ全て自社の編集部員が書いたものになるという。「厳密な編集ガイドラインが定められている。これまで新聞社、インターネットメディアで経験を積んできた編集者たちがつくったもので、自らを律する内容になっている」と古田氏。 メディアでは、どのようなテーマを扱うのか。ローンチ初日には、福島第一原発の記事を掲載した。原発で働く人たちの姿をつぶさにレポートしたもので、よく読まれているという。これからも読み手の心に深く伝わる形で、記事を書いていきたいとのこと。 では海外版では、これまでどんなテーマを扱ってきたのだろうか。古田氏によれば、ときには動物のかわいい記事を取り扱うこともあり、またオバマ大統領など世界の要人にインタビューすることもあるという。パリの襲撃テロの翌日には、追悼記事とともに、地元の人たちがバーでお酒を楽しんでいる様子をレポートした。「恐怖やテロに負けないで、お酒や会話を普段通りに楽しむ生活を続ける。辛いときこそ、自分たちの人生を楽しむ。それがテロに負けないというメッセージにつながる。従来のメディアでは伝えられなかった視点で、読者に情報を伝えていきたい」と同氏。 コンテンツの配信方法については「読者に来てもらうのではなく、読者がいる場所にコンテンツを届ける。文章や写真よりも、動画やイラストの方が有効なメディアもある。コンテンツを流すプラットフォームに最適な形で提供して、それにより多くの人に読んでもらう。それが私たちのやり方」と解説した。実際、海外ではソーシャルメディアに親しんでいる10代、20代の若い層を中心に、”最も愛されているメディア“として急成長しているという。 BuzzFeed Japanでは「楽しい」「信頼」「シェアされる」メディアを目指す。この方針はシリアスなニュースでも、エンタメのコンテンツでも変わらないという。「愛されるメディアになるためには、どうしたら良いか。編集部内では日々、お互いの知見を共有し合っている。これは海外のチームとも、常に議論していること」と古田氏。 BuzzFeedの特徴として「幅広いコンテンツ制作力」「最先端のテクノロジーと戦略」「『人々の実生活にポジティブな影響を与えたい』というグローバルに共有する理念」の3点を挙げた。BuzzFeed Japanでも、これを追求していくとのことだ。