情報通信研究機構(NICT)が沖縄県南城市のもずく養殖場のセンサーネットワークに、日本主導の無線規格であるWi-SUNを使用。適用実証に成功した。Wi-SUNの漁業分野での適用実証成功は世界初となる。 Wi-SUNは低消費電力が特徴の無線規格。これまでにも農業用センサーに電池駆動のWi-SUN無線機を使用し、温度や湿度、土壌成分などのデータの継続観測に成功している。だが、海上の場合は通信環境が異なること、モニタリング対象エリアの広さ、電池交換のコストといったハードルがあり、実証例がなかった。 今回の実験では、洋上のブイ3基に電池駆動のWi-SUN無線機を搭載。うち2基に水温・塩分濃度センサーを搭載し、収集したデータを地上の無線機に定期的に送信した。送信されたデータはクラウドで共有される仕組み。無線機は大部分をスリープ時間とすることで、平均消費電力を大幅に下げている。 今後は連携する知念漁業協同組合の要望に応じて、設定やモニターする項目、設置場所などを変更し、さらに最適化を進めていく。