サイバーアイ・エンタテインメント久夛良木健社長は3月11日、第6回国際自動車通信技術展(ATTT)の基調講演に登壇し、「日本の自動車メーカーはどういうふうにこれからしていくのかを、ちゃんともう一度ゼロリセットに近い形で考えた方が良い」と提言した。久夛良木社長はまず「かつてクルマは一朝一夕には造れない、摺り合わせ技術やノウハウの塊で、異業種の参入は無理だと言われていたが、テスラがもう2つめ、3つめのクルマを出して、今までの議論が一歩進んだ」との考えを示した。さらに「これまでのクルマは基本的にひとつの塊として捉えて、どーんと造っていた。パソコンと一緒で、基本シャーシをどうするか、どういうボディを造るか、あと駆動系をどうするか、さらに情報系と制御系といったように分けてモノを考えれば非常にわかりやすいということに、ようやくみんなが実例とともに学んだ」と述べる。一方で「ただ情報系と制御系がどうも一緒くたに今話をされているような気がする。情報系と制御系は、基本的にはまったく別のものとして進化するものだと思っている。というのは制御系は絶対ミスがあってはいけないし、システムが止まってもいけない、外部からハッキングされてもいけない。一方で情報系は逆にどんどん外部とつながらなければいけない。それをどういうふうに最終的にユーザーとのインターフェイスの中に織り込むのかという話をしなければいけないのに、日本の自動車メーカーは垂直統合しようとしている。これは無理な感じがする」と指摘。その上で「例えばAppleやGoogleがいろんな側面から提案をしている中で、日本の自動車メーカーはどういうふうにこれからしていくのかを、ちゃんともう一度ゼロリセットに近い形で考えた方が良いと私は思う。オープンイノベーションというとすぐに外部からハックされたらどうするのかという話がでてくるので、何か一緒くたになっている」と強調した。