現地時間2日にWWDCで発表されたiOS 8のSDK(ソフトウェア開発キット)は、健康管理やウェアラブルデバイスに向けたAPI、新しい開発言語、サードパーティ製入力メソッド対応、A7コア対応のMetalグラフィックス技術など、コアな開発者にとって重要な発表が集中した。 Appleのソフトウェアエンジニアリング上級副社長Craig Federighi氏が「世界にiOSデバイスは8億台以上存在し、その半分ほどが最新バージョン(Mavericks)が稼働している(Windows 8は全Windowsのうち14%ほど)」というiOSの最新SDKは4000以上の新しいAPIが追加されている。 HealthKit APIは、健康管理、フィットネスアプリどうしの通信や機能をサポートする。ユーザーの承認があれば、関連のアプリやウェアラブルデバイスとのやりとりによって、統合的な健康管理アプリが実現できる。Appleでは、これらをフィットネスアプリだけでなく、医師向けのアプリ(Mayo Clinicなど)とも連携させ、高度な診断や治療にも役立てたい考えだ。 HomeKitはスマートホームにおける家電制御などを支援するAPIだ。家の中の家電や機器をセキュアに接続する共通プロトコルを提供し、アプリからエアコン、照明、テレビ、その他を制御できるようにする。しかもこれらの制御は「Siri」とも連携可能であり、ア例えば「もう寝るよ」と言えば、照明を落とし、玄関を施錠しガレージや門を閉め、空調をセットする、といったことを自動的に行わせることも可能だ。 サードパーティに対して、独自レイアウトのキーボードや独自の入力メソッドのAPIが解放されたことは、一部の開発者にとって朗報となっている。とくに日本では日本語入力がAppleのものに限定されていたが、ATOKのような日本で実績と人気のある入力フロントエンドがiPhone/iPadで使えるようになるのではと、期待する声が上がっている。 MetalグラフィックAPIはA7チップに最適化され、従来の描画速度を10倍にするとした。これにより、モバイルデバイスでも高速な3Dゲームなどが可能になる。3D描画のためにはScenceKitやSpriteKitといったAPIが追加・強化されている。 近年発表された新しい開発言語は、残念ながらC/C++、Java、PHP、Ruby、Pythonなどようにエコシステムが広がってはいないが、SwiftはiOSアプリの主流になる可能性を秘めているようだ。Swiftは、Objective-Cをベースにしながら、C/C++のようなレガシー言語より、Webアプリやクラウドアプリとの親和性が高いビルドアップ型開発を意識している。開発はクラスやライブラリを組み合わせる形で、対話性を重視しているが、コンパイラ型言語であるため、実行モジュールの速度パフォーマンスは高いという。 なお、上記以外にもPhotoKit(組込みの写真アプリ並の堅牢性、処理速度、編集機能を実現)、フォーカス、露出、ホワイトバランスなど制御可能な新しいカメラAPIなども発表された。
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