東北大学と日本電気(NEC)は10日、「スピントロニクス論理集積回路技術」を適用した検索用論理集積回路を試作し、その動作実証において、文字検索処理に必要な消費電力を1/100に削減できたことを発表した。 「スピントロ二クス論理集積回路技術」は、論理集積回路上のすべての回路を不揮発化できる技術。この技術を活用することで、将来的には、コンセントを抜かなくても省電力な電子機器が実現可能とされている。具体的には「瞬時に起動しすぐに使える超低消費パソコン」「瞬時に立ち上がり、待機電力ゼロの液晶テレビ」といった製品が想定される。東北大とNECはこれまで、スピントロニクス論理集積回路技術を用いて、汎用検索集積回路(TCAM)、画像処理プロセッサ等を試作している。 今回、東北大学とNECは、これまでの研究開発の結果を活用して、文字検索システムに適用できる検索用回路技術を開発。試作品の動作実証において消費電力を1/100に削減した。待機電力を不要にするとともに、検索処理に必要な回路ブロックにのみ電源を供給する仕組みで、必要最小限の消費電力で検索を実行可能とした。 将来、データセンターに設置されるサーバなどに搭載されれば、サーバの消費電力のさらなる低減が実現可能とのこと。