(2-1)先行研究事例1 Active Badge 1992年に発表されたOlivetti Research Ltd.,のActive Badge2)はユビキタスコンピューティング(以下UC)の先駆的事例として著名な、オフィス内のリアルタイム位置検知システムである。UCとは、あらゆる人が小型のコンピュータを持ち歩き、 ユーザが活動する環境に設置された無数のコンピュータと通信することで、コンピュータシステムの利用可能性が広がるという概念である。Active BadgeはUCをプレゼンス提供に応用した事例、と位置づけられる。
Active Badgeはオフィス内のユーザが各自携帯している5cm×5cm程度の赤外線通信端末(Badge)と、オフィス環境に配置された赤外線通信装置(環境装置)の通信でオフィス内の人物位置をリアルタイムに検出する仕組みであった。Badgeから環境装置にIDを含んだ赤外線信号が送信され、信号のIDと受信した場所(環境装置の位置)を対応付けて、Badgeを持つ人物位置を把握できた。