4月にNTTドコモから発売されたスマートフォン「MEDIAS W N-05E」(NECカシオモバイルコミュニケーションズ製)の最大の特徴は、折りたたみ式の2画面構成の本体にある。その特徴的な画面構成から話題を呼んでいる同端末だが、実際、どの程度便利になるのか、どんなことが可能になるのか。 NTTドコモで、メーカーとともに「MEDIAS W」の開発に携わった山崎仁史氏(プロダクト部 第一商品企画担当)に話を聞いた。――まず、なぜ2画面の端末を開発しようと思ったのでしょうか。そのあたりからお話いただけますか。山崎氏:数年前から携帯電話やスマートフォンの大画面化というトレンドがありました。同じ本体ならば、画面は大きいほうが見やすいし使いやすい。基本的に画面が大きくて困る人は少ないと思います。しかし、画面を大きくするために本体もサイズアップしていくと、こちらは困る人が多くなますよね。ポケットに入らないとか出し入れが面倒になるとか。この問題を解決するために、折りたたみ式で2画面をフラットに展開する発想が生まれました。――開発はいつごろから始めていたのですか。 1年ほど前からです。昨年のMobile World Congressでプロトタイプを発表させていただいて、それからメーカーと共同で開発を進めていきました。私の部署は、企画部隊ですので、今までにないような製品を出したいという思いがありましたし、メーカーとしても、日本のフィーチャーフォンで培った「ヒンジ」など携帯電話の機構部分のノウハウを活せるということもあり、定期的に行っているメーカーとの議論の中で、アイデアを詰めていきました。――開発から製品化までに苦労した部分などはありますか。 やはり、新しいデザインや製品については反対や疑問はつきものでした。「本当に売れるの?」という声は正直なところ社内でもありました。しかし、新しいものというのはみな同じだと思います。新しい提案がニーズにマッチしたり、新しい使い方やスタイルが生まれきて、定着していくものだと思っています。 ドコモとしても短期的な製品ではなく、中・長期的な製品モデルとして戦略を考えています。大画面で見たい、コンパクトなほうがいい、というニーズは携帯電話やスマートフォンでは基本的な部分として、どの時代の開発要件でも共通する長期的なものです。そのため、MEDIAS Wの戦略の最終的な目標は、新しいライフスタイルや利用スタイルに応じた形で一般のユーザーにも使ってもらうことです。最初は、ガジェッターやアーリーアダプタへのアプローチとなるかもしれませんが、そこで新しい使い方を実践してもらって、徐々に一般ユーザーにも広げたいと思っています。
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