デンソーはカーナビ連携スマートフォンアプリ「smart G-BOOK ARPEGGiO(アルペジオ)」の商品説明会を開催した。説明会ではまず、同社情報通信事業部 情報通信サービス開発室の阿知波恵造氏がデンソーにおけるスマートフォンと車載機の連携への取り組みについて紹介した。余り知られていないが、デンソーは通信ナビゲーションに対して長年にわたって取り組んでいる。ナビゲーションの事業がスタートしたのは87年で、その9年後の1996年には『MIUT』という名のHHDD通信ナビをテスト販売していた。トヨタのG-BOOKやカーウイングスが登場するテレマティクスが本格化する5年以上も前のことだ。しかし2010年代に入ってからのスマートフォンの普及はカーナビメーカーの予想を遙かに超える速さだったという。「スマートフォンは我々の予想以上に普及し、その流れは止められない」と阿知波氏。こうしたスマートフォン時代に対して車載機メーカーはどのように対応すべきか、というところでスマートフォンと車載機をつなぐサービスの提供へと踏み切ったという。「スマートフォンと車載機それぞれの良さを活かしながら、運転中にもユーザーが安全に使うことができるサービスを提供したい」(阿知波氏)。「当社はDSRCやBluetooth、DCMといった、車をネットワークにつなげる部分を積極的に取り組んできた。今後は車載機からセンターサービスを一気通貫的に通し、車を熟知した当社ならではのサービスを提供していく。アルペジオはそのセンターサービスの中にサービスのひとつの形と考えてもらいたい」と説明した。アルペジオのベースになったのは、北米トヨタが2011年の秋から提供しているスマートフォン/車載機の連携サービス「Enuine(エンチューン)」だ。デンソーはこのEntuneを車載機とアプリ開発の両面で担当しており、「Entuneで培ったノウハウ・経験を日本の市場に投入したい」(阿知波氏)。
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