インテルは18日、ドイツで開催中の国際学会「ISC 2012」において、インテルMIC(Many Integrated Core)アーキテクチャーに基づくプロセッサーの新ブランド「インテルXeon Phi」を発表した。 「インテルXeon Phi(ジーオン ファイ)」コプロセッサーは、22ナノメートル(nm)プロセス技術により製造される製品で、1ノード当たり1テラフロップス(1秒間に1兆回の浮動小数点演算)以上の性能を達成しているという。 PCIeフォームファクターで提供され、50以上のコアと8GB以上のGDDR5メモリを搭載する。並列化CPUコードを採用しており、x86プログラミング・モデルとの互換性に加えて、ホストOSから独立したLinuxベースのOSが動作する。そのため、使い慣れたインテル・アーキテクチャーのプログラミング・モデル、技法、開発者ツールが利用可能となっている。またアプリケーションからはHPCに最適化・高度並列化された、コンピューティング・ノードとして認識されるため、GPUベースの代替技術では利用できなかったクラスター・ソリューションを、より柔軟に実装できるという。 インテルXeon Phiコプロセッサーの量産出荷は2012年後半の予定だが、最初の開発コンピュータ・クラスターはすでに稼働しており、118テラフロップスの性能でTOP500の第150位にランクしているとのこと。 2012年末までに量産される第1世代のインテルXeon Phi製品ファミリー(開発コード名「Knights Corner」)は、ハイ・パフォーマンス・コンピューティング(HPC)を対象としており、既存のインテルXeonプロセッサーE5-2600/4600製品ファミリーを補完するラインアップとなる。Xeon Phi製品では企業のデータセンターやワークステーションにも対応する予定。Bull、クレイ、デル、HP、IBM、Inspur、NECなど、44社のメーカーが製品ロードマップへの組み込みを表明している。 なお、インテルXeonプロセッサーE5ファミリーとインテルXeon Phiコプロセッサーを組み合わせて搭載する初のペタスケール・クラスのスーパーコンピューター「Stampede」(開発コード名)は、2013年初頭までに稼働を開始する予定。