IDC Japanは21日、2011年の国内外付型ディスクストレージシステム市場の実績を発表した。これによると2011年の国内外付型ディスクストレージシステム市場は、前年比0.5%増の1,683億500万円となった。 2011年は東日本大震災や電力不足、世界経済の減速などの多くのマイナス要因があったが、国内外付型ディスクストレージシステム市場は、2008年以来3年振りのプラス成長となった。要因としては、SAN(Storage Area Network)とNAS(Network Attached Storage)で構成されたオープンネットワークストレージに対する国内企業の支出が増加したためとIDC Japanでは分析している。 2011年の国内オープンネットワークストレージに対する支出額は1,242億200万円で、前年比16.4%増。NASやiSCSIなどIPベースのディスクストレージシステムが伸びた。IPベースのディスクストレージシステムの構成比は2008年には12.6%だったが、2011年には21.0%に上昇している。一方、サーバに直接接続されるDAS(Direct Attached Storage)は大幅に減少したとのこと。2011年の支出額の前年比成長率は、NASが12.6%増、iSCSIが26.5%増。もっとも大きな構成比を占めるFC-SANも、通信や官公庁で大型案件などがあったこともあり、前年比16.4%増という高い成長を達成した。 業種別で見ると2011年は通信キャリアを主体とした通信/メディアの支出が高い伸びを示した。スマートフォンの需要拡大などに関連した通信キャリアのITインフラ支出の増加が、外付型ディスクストレージシステムに対する支出の伸びをけん引したほか、2008年以降マイナス成長を続けてきた製造業の支出が回復傾向に入ったこともプラス要因になったとのこと。