中国の衛星測位システム「北斗」の10機目の衛星が打ち上げに成功し、ナビゲーションデータの送信を開始した。27日(現地時間)、BBCが伝えた。 カーナビなどにも利用される衛星測位システムは、アメリカのGPSが世界中で利用されている。しかし、軍事利用の必要性などから独自のシステムを構築する動きが世界中で活発化しており、ヨーロッパの「ガリレオ」、ロシアの「GLONAS」が計画中もしくは実用段階に入っている。日本ではGPSと組み合わせて使用する準天頂衛星システムの構築を目指し、人工衛星「みちびき」を打ち上げ、現在稼働中だ。 中国の北斗は、35機の衛星を使って全世界をカバーする衛星測位システム。2007年から打ち上げを開始し、2011年12月2日に10機目の衛星を打ち上げた。10機の衛星により限定的ながら稼働が可能となったため、中国とその周辺地域向けにナビゲーションデータの送信を開始した。 北斗は2020年までに35機全ての衛星を打ち上げ、システムを完成させる予定だ。