リコーとHOYAは1日、リコーによるHOYAのPENTAXイメージング・システム事業の買収についての合意と契約締結を発表した。両社は同日午後4時半より、都内にて緊急の合同会見を開催する。 買収は、PENTAXイメージング・システム事業をHOYAが新設する子会社に吸収分割と事業譲渡により承継させ、リコーがその新設会社の発行済株式100%を取得する方法で行なわれる。また経営権の移転後も、リコーは完全子会社としての事業運営を行なうとした。 今後リコーはデジタルカメラなど製品の一部において、HOYAは内視鏡などにおいて、両社が「PENTAX」ブランドを使用しての事業展開を行なうことになる。 買収の背景としてリコー側は、現在の基盤事業は複写機/複合機を中心とした画像ソリューションにあるが、1936年から数々のカメラを発表してきた老舗として、光学技術やネットワーク技術の強みなどを活かしたコンシューマ事業の確立を意図しているとした。具体的には、デジタルカメラ事業の強化とコンシューマ向け付加価値事業の創出などが挙げられており、前者においては特にレンズ交換式カメラでの事業強化を図る見込み。また、中判デジタルカメラなどを用いた「イメージ・アーカイビング事業」への参入も検討しているとした。 一方のHOYA側は、経営資源の選択・集中に取り組む一環として、2008 年 3 月 31 日付で吸収合併したペンタックスから引き継いだ今回の譲渡を決定したとしている。なお、PENTAXイメージング・システム事業以外のデジタルカメラモジュール、DVD用ピックアップレンズ、内視鏡、人工骨、音声合成ソフトウェアの各事業は、引き続きHOYA側が展開する。 ペンタックスの前身は、1952年に日本初の一眼レフカメラを開発した旭光学工業。2008年4月からはHOYA傘下の事業部となり、現在は中判/Kマウント/Qマウントのレンズ交換式デジタルカメラや「Optio」ブランドのコンパクトカメラを展開している。