IDC Japanは、2011年第1四半期(1~3月)の「国内クライアントPC市場実績値」を発表した。出荷台数は383万台で前年同期比16.1%減。その内訳(出荷台数/前年同期比)として、ビジネス市場は200万台/24.5%減、家庭市場は184万台/4.6%減であった。 いずれもマイナス成長に終わった要因として、3月に発生した東日本大震災の影響が挙げられる。しかし、特にビジネス市場での落ち込みが大きかった点から、ベンダーがWindows XPモデルの出荷を2010年10月末で終了したことのよる、企業の駆け込み需要の反動も大きな影響を与えたと推察される。 実際、出荷終了前の2010年第3四半期(7~9月)の実績値では、市場全体が368万台/20.1%増、ビジネス市場が206万台/27.6%増、家庭市場が161万台/11.7%増であった。しかし、出荷終了後の2010年第4四半期(10~12月)は実績値が、市場全体で387万台/11.7%増、ビジネス市場で199万台/19.9%増、家庭市場で188万台/4.2%増にとどまった。こうした傾向が2011年第1四半期(1~3月)には顕著に表れたと考えられる。 一方の家庭市場においては、インテルのチップセットの不具合により出荷台数の減少が懸念された。しかし、大きなマイナスに至らなかったのは、PCベンダーの生産調整が功を奏したと分析される。 ベンダー各社の動きを見てみると、ベンダーシェアは上位からNEC、富士通、東芝、デル、日本HPの順。前期1位の富士通を抜きNECがトップを獲得し、デルが前期5位から4位にワンランクアップした。また、各社が前年同期比マイナス成長にあるなか、東芝のみが唯一、2.6%のプラス成長を記録している。