第14回組込みシステム開発技術展の会場には、ハードウェアだけでなく、組込みシステム向けの各種ソフトウェアも展示されている。 エイチアイのブースに展示されている、HTML5対応のWebブラウザ「W10」や、HTML5対応Webブラウザをベースとしたウィジェットアプリケーションプラットフォーム「Obigo Web Runtime」も、そうした製品だ。いずれも同社と提携する韓国のオビゴ社の製品である。 「W10」は、Safariでも利用されているWebkitブラウザコアを利用したHTML5対応のWebブラウザで、タッチパネル上でも操作しやすいUIが提供されているため、携帯電話だけでなく、スマートフォンやデジタル家電などの組込み用途にも適している。 また、Webkitへのアップデートにも短期間で対応可能な設計になっているという。いわゆるガラケーでも、HTML5対応のブラウザが利用できるようになるのは嬉しい。ただし、製品はハードウェアメーカーやキャリアを通じて流通することになるので、搭載機種が発売されるのを待たねばならない。 「Obigo Web Runtime」は、HTML5、CSS3、DOM3、SVGなどの規格に対応するウィジェットアプリケーションプラットフォームで、HTML5ウィジェットを実行するための環境だ。WAC/W3CのAPI仕様をサポートしているため、Javascriptでデバイスを制御したり、デバイス情報を取得することもできる。 また、専用のウィジェットマネージャを装備しており、ウィジェットのアップデートや削除などの管理も行える。 なお、Android対応バージョンは、Choromeブラウザの描画エンジンとして使用しているという。 Web Runtimeに対応したウィジェットアプリケーション開発用SDKもエイチアイから提供可能としている。 iPhoneやAndroidアプリの開発には、Objective-CやJavaなどのスキルが求めらる。しかしHTML5ウィジェットならば、HTML、CSS、Javascriptで開発可能であり、開発したアプリもハードウェアプラットフォームを越えて利用しやすいなど、非常に注目されている。 さまざまな機器にWeb Runtimeが搭載されれば、HTML5ウィジェット利用のすそ野が、さらに広がることになるだろう。