台湾エイサー(Acer)は現地時間3月31日、同社最高経営責任者(CEO)兼社長であるジャンフランコ・ランチ(Gianfranco Lanci)氏の辞任を発表した。すでに役員会での承認と全社員への通知は行なわれており、後任の決定までは同社会長のJ.T.ワン(J.T.Wang)氏がCEO兼社長となる。 同社発表によると、同社の将来的発展に対し、ランチ氏は役員の大半と異なる意見を表明。話し合いを重ねたが、コンセンサスの一致に至らなかったとしている。しかし同社は、このトップ変更について「この変化は正常に機能している現在のオペレーションに影響しない」とし、グローバリゼーションのさらなる推進と製品やサービスの開発を通じ、主要ベンダーらとより親密な関係を築くとした。 ランチ氏の後任を暫定的に勤める同社会長のワン氏は、PCは同社ビジネスの中核であり今後も拡張を続けることと、モバイルデバイス市場への参入を表明。また、ランチ氏が兼任していたAcer AMEAの社長については、同社の副社長を務めていたウォルター・デッペラー(Walter Deppeler)氏が後任として発表されている。 同社は、米Gartnerの2009年第3四半期のPC出荷量調査において、初めてデルを抜き世界シェア2位となっていたが、2010年第4四半期の連結売上高は前期比17%減。これを受け同社は3月25日、今四半期の売上高目標を前期比3%増から10%減へ下方修正している。