ヤマハは11日、高度な音声処理や音楽制作の機能を ネットワークを通して簡単に利用できるようにする技術「クラウド型VST(Virtual Studio Technology)」を発表した。 「VST」は独スタインバーグ社が1996年に発表した技術で、以前はハードウェアを使用するしかなかったシンセサイザー、エフェクター、ミキサーをソフトウェア化して、コンピュータのCPU(ネイティブ処理)で再現し、それらをコンピュータ内で接続させるものとなっている。現在では多くの音楽制作ソフトウェアが対応しており、さまざまなソフトウェアシンセサイザーが追加用ソフトウェア、「VSTプラグイン」としてリリースされている。 ヤマハの「クラウド型VST」では、専用のハードウェアやソフトウェアを用いて行う高度な音声処理や音楽制作の機能の一部を、ネットワークのサーバ上に置くことで、必要な機能を必要なときにさまざまな端末から使える環境を構築。高い処理能力を必要とするエフェクターなどの高度な音声処理を、サーバ上の機能として実装することにより、ネットワークを介して簡単に利用できるようにする。この技術により、プロのエンジニアやクリエイターが専用の環境で行っていた音の処理を、誰でも簡単に利用できるようになる見込みだ。また、高度な計算処理はサーバ上で行われるため、「VSTホスト」(VSTプラグインを呼び出すソフトウェア)を動作させるだけの、必要最小限の性能を備えている端末であれば利用できる。これによりコンピュータだけでなく、処理能力が限られている携帯端末などからも利用できる。 「VSTプラグイン」の実体は、クラウド(サーバ)上に置かれた状態で動作するため、大容量のデーターを利用する「VSTプラグイン」であっても手元の端末にダウンロードする必要はなく、クラウド上の豊富な種類の「VSTプラグイン」を自由に選んで使うことができる。また端末が異なっても、同じ「VSTプラグイン」と同じ設定を利用できるようになるため、編集スタジオでは使いやすいインターフェイスを持ったコンピュータ、録音先では必要最小限のインターフェースをもった端末、また、移動中は携帯電話から確認するなど、場所や端末の種類によらず、シームレスで一貫した音の加工や音楽制作の環境を構築できる。「VSTプラグイン」の開発者は、使用者が端末の「VSTホスト」で表示や操作するために用いる「プラグインドッグ」で動作するプログラムを開発すれば、「クラウド型VST」に対応させることが可能。携帯型ゲームや携帯端末などの開発者は、「VSTホスト」としての簡単な開発を行うだけで、豊富な「VSTプラグイン」を利用できるようになる。
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