IDC Japanは8日、国内クラウドサービス市場予測を発表した。 IDCが発行したレポート「国内クラウドサービス市場 2009年の実績と2010年~2014年の予測」(32ページ/630,000円)にてその詳細が報告されている。なお、一般的にパブリッククラウドと認識される「共有プール化されたコンピューターリソースを複数のユーザーに対し、インターネットを介してオンデマンドで提供するサービス」に焦点を当て、市場予測を実施したものとなっている。 同レポートによると、パブリッククラウド範囲における2009年の国内クラウドサービス市場規模は312億円。「クラウド」を重要な成長戦略とするICTベンダーは多く、利用する企業も増加。2009年の国内クラウドサービス市場規模は312億円とまだ小規模だが、本格的な成長期を迎えているとのこと。企業のIT戦略は、冗長性や信頼性を重要視した固定的なIT投資から、過剰投資を回避し、迅速な対応力を求める内容に変わりつつあり、クラウドは、企業の新しいIT戦略と合致し、さらなる発展が見込まれるという。国内IT市場が低迷する中、同市場は急速な拡大を続けており、2009年~2014年の年間平均成長率35.6%、2014年の市場規模は2009年比4.6倍の1,432億円になるとIDCは予測したという。 IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの松本 聡氏は「クラウドサービス事業者にとって、迅速なサービス提供が重要であった時期は早くも過ぎ去り、差別化が大きな課題となっている。また、企業のIT戦略は変化しており、『良いもの』ではなく『必要なもの』を選択する傾向が強まっていることに事業者は留意する必要がある。事業者は、利用量に応じた従量課金制だけではなく、細分化した豊富な機能を柔軟に選択利用できるサービスモデルを導入し、ユーザー企業にとって過不足のないサービスの提供が重要である」とのコメントを寄せている。
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