マイクロソフトは12日、スマートフォン用OS「Windows Mobile 6.5 日本語版」と、同OSを搭載したWindows phone向けアプリケーション配信サービス「Windows Marketplace for Mobile」を発表し、Windows phoneの戦略説明会を都内で開催した。同サービスの開始は12月上旬。
「スマートフォンは、どうしてもビジネスユースと思われているが、今回のWindows Mobile 6.5をきっかけに一般ユーザーにもエンジョイしてほしい。また、PCやテレビとも連動していく。コンテンツプロバイダのゲーム、音楽、マンガ、番組をWindows Mobile 6.5のプラットフォーム上で生かし、購入者に最高の体験を提供したい」
次に、同社モバイルコミュニケーション本部 本部長の越川慎司氏が、Windows phoneとWindows Mobile 6.5の特徴を解説した。
同社は、ユーザーに3つの体験を提供したいという。1番目は「使いやすさの追求」、2番目は「クラウドサービスをモバイルに組み込む」こと、3番目は「何年経っても陳腐化しないケータイのOSとして展開」していくこと。これらを実現するために、昨年春からWindows Mobileの開発部門を日本に置き、日本のユーザーの意見を反映させたという。その成果がWindows Mobile 6.5であると、越川氏が明らかにした。
Windows Mobile 6.1までは、PDAの延長線上でスタイラスペンによる操作だったが、Windows Mobile 6.5ではタッチスクリーン操作に対応した新しいUIを採用。アイコンやメニューなどのサイズを拡大し、すべて片手で操作できるようにした。また、ロック画面状態でも、電話や電子メールの着信がすぐにわかるように改良。
同社の調査によると、スマートフォンユーザーの60%はPC用Webサイトを見たいから、スマートフォンを使っているという。そこで、Windows Mobile 6.5では、Webブラウザ「Internet Explorer Mobile 6」を搭載し、PC向けWebサイトと同じような閲覧性を追求した。Internet Explorer Mobile 6では、PCで培ったWebブラウザのテクノロジー(レンダリングエンジンやマルチメディア再生機能など)をモバイルに持ってきたとのこと。スクリーンサイズの違うものでも、ユーザーの見たいサイズに変更可能だという。
次に、越川氏はデモを交えながら、自動バックアップサービス「My Phone」とアプリケーション配信サービス「Windows Marketplace for Mobile」を紹介した。My Phoneは、Windows phoneに保存した、予定表や写真などのデータをクラウド上に同期、バックアップできる無償サービス。クラウドサービスの容量は200MBとなっている。My Phoneのクラウド上では、Windows phoneで撮影した高解像度の写真をオリジナルサイズのままバックアップしたり、公開・共有したりすることも可能だ。
Windows Marketplace for Mobileは、ゲームやユーティリティ、各種コンテンツなどのWindows phone向けアプリケーションをPCなしでWindows phoneから直接購入・ダウンロードできるアプリケーション配信サービス。同サービスを利用することで、ソフトベンダーはWindows phone向けアプリケーションを世界中へ配信、販売できるようになる。一方、ユーザーはPCからではなく、手元のWindows phoneで必要なコンテンツを探し、購入、インストールできるのが特徴だ。
Windows phone向けアプリケーションのインストールについて、越川氏はデモを実演し、「インストール時間は20〜30秒、タッチ操作は3〜4回」と簡単さをPRした。