それによると、RSA FraudAction Research Labは、オンラインバンキングサービスの利用者を狙った、新しく独創的なフィッシング攻撃「チャット・イン・ザ・ミドル」(Chat-in-the-Middle)フィッシングを発見したという。具体的には、まずオンラインバンキングの顧客を通常のフィッシングサイトでだまし、ユーザー名とパスワードを入力させる(ここまでは通常のフィッシングと同じ)。その後、詐欺師側からライブチャットのセッションを起動する。このライブチャットを通して、銀行の詐欺対策部門担当を装った詐欺師が、顧客をだましてより高度な秘密の情報(たとえばユーザー認証に使う秘密の質問とその答え)を打ち明けさせようとするとのこと。この攻撃が現時点で狙っているのは、ある特定の米国系金融機関のみだが、被害者からさらなる情報を騙し取るためのあらたなテクニックが使われている。通常であればフィッシングサイトの次のページにリダイレクトするのだが、その代わりに、詐欺師がニセのライブチャットのサポートウィンドウを起動するのである。ライブチャットが始まると、詐欺師はソーシャルエンジニアリングを使って、被害者からさらなる情報を得ようとする。詐欺師は、銀行の詐欺対策担当を装い、銀行が「各会員にアカウントの検証をお願いしている」などと言って利用者をだまし、名前、電話番号、メールアドレスを聞き出す。こうした情報は、その後電話やオンラインで本人になりすまして口座にアクセスする際に使われたり、詐欺師が本人に直接コンタクトして確認する可能性がある(チャットウィンドウの画面上ではそう示唆されている)。