これにより開発者は、電話網がIP化されるLTE、4G、NGN時代の多様な携帯端末に対して、IP電話機能の早期提供が行え、IP電話ソフトウェアを他の携帯端末プラットフォームへ移植する場合に、すべてを新規開発するよりも10分の1程度にまで開発工数を抑えることができるという。携帯端末の利用者は1台の端末で、社外では携帯電話として使いオフィスではIP電話端末として使う、無線LANを使った内線電話サービスなど、固定通信と移動体通信が融合したFMC(Fixed Mobile Convergence)サービスを利用できるようになる見込み。
企業で使われる携帯端末は多様化してきており、FMCサービスを利用するためには各携帯端末へのIP電話ソフトウェアの搭載が必要になる。しかし、各携帯端末プラットフォームはOSやハードウェア機能など種類が多岐にわたっており、開発済みのIP電話ソフトウェアを異なるプラットフォームへ移植する際でも、新規に開発する必要があり、現状では決められた端末で単一のFMCサービスしか提供できないという課題があった。この課題を解決するために、IP電話の音質を保障しつつOSの違いも含めた多様な携帯端末プラットフォームの違いを吸収する「OS差異吸収モジュール」を開発し、Symbian OS、Windows Mobile 6、Androidの各OS上でIP電話ソフトウェアが共通に動作するIP電話基盤技術の開発に世界で初めて成功したという。