情報システム開発のクリエーションラインは24日、オープンソース・クラウド基盤ソフトウェア『Eucalyptus』の実用性に関する検証・調査資料を公開した。77ページから成るPDFファイルで、同社サイトよりダウンロード可能となっている。 『Eucalyptus』はカリフォルニア州立大学サンタ・バーバラ校コンピュータ科学部で開発が進められてきたオープンソースのクラウド・プラットフォームソフトウェア。米Amazon.com(アマゾン)のクラウドコンピューティングプラットフォームサービス「Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)」とのインターフェイス互換を持ち、かつ同様の機能を有するプライベートクラウド基盤ソフトウェアとして注目を集めている。 クリエーションラインでは、『Eucalyptus』の実用性の評価を目的とし、『Eucalyptus』のインストールおよび実装環境の調査、既存環境から『Eucalyptus』への移行方法の調査、「Amazon EC2」を比較対象とした『Eucalyptus』の機能の調査などを行い、その成果として本資料を公開した。 今回の資料には『Eucalyptus』のインストールマニュアルなども盛り込まれており、公式サイトでも公開されていなかった、既存システムから『Eucalyptus』を利用したシステムへの移行方法についても検証・評価されている。 これらの調査の結果、『Eucalyptus』は「Amazon EC2」で実装されている主要な機能を備え、かつ性能面を考慮した方式を採用していることが確認されたという。方で、主に信頼性に関する機能(冗長化機能)についての一部を備えておらず、信頼性には課題を残していることが判明したが、『Eucalyptus』と別の手段(ハードウェアまたはソフトウェア)を併用することで信頼性の高いシステムの構築は可能と、同調査では結論づけている。同資料は内容の変更をともなわなければ自由に配布可能。