本システムにおける主要装置となるOLT(Optical Line Terminal)では、10Gbpsの信号を16チップの符号でそれぞれ符号化した後、25psの時間スロットに光学的に多重し、さらに波長で4倍にすることで、10Gbps×16chの多重信号を出力する。この160Gbpsの信号を、20km(光アクセスシステムでの最長距離区間)伝送し、1×16のスプリッタで分配した後、符号選択による復号を行うONUにより信号を抽出し、10Gbpsの信号を復元することに成功した。なお、今回の実験では1スロットに1符号しか多重していないが、1スロットに4符号まで多重できるため、さらに4倍の容量(10Gbps×64ch=640Gbps)を伝送することも可能とのこと。また逆に、波長資源を有効に活用する場合は、4符号×4スロット×1波長の160Gbpsの構成も可能とみられる。
この研究成果は、3月26日、OFC/NFOEC2009(the Optical Fiber Communication Conference&Exposition and the National Fiber Optic Engineers Conference、3月22日〜26日、米国カリフォルニア州サンディエゴ市にて開催)にて発表される予定。なおOKIは、今回の開発に係る研究を、独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)の民間基盤技術促進制度からの委託研究「超高速光マルチメディア配信システムの研究開発」の一環として行っている。
《冨岡晶》