日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)は11月26日、ミニノート「HP Mini 1000」に関する記者会見を都内で開いたが、そこで大きな注目を集めていたのがファッションデザイナーのヴィヴィアン・タム(Vivienne Tam)さんとのコラボレーションモデル「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」だ。記者会見が終了してから数時間後にも、そのお披露目を兼ねたファッションショーが盛大に開かれた。
●女性に圧倒的な支持を受ける世界的なデザイナー、ヴィヴィアン・タム
これまで様々なブランドやデザイナーとのコラボレーションPCは数多く発売されているが、HP Mini 1000 Vivienne Tam Editionが注目されているのは、世界的なファッションブランド「Vivienne Tam」のデザインであるからというのが大きい。男性には馴染みが薄いかもしれないが、そのブランド力は女性の間では絶大だ。試しに知り合いの20〜30代の女性6人(OL:4人、自営業:1人、主婦:1人)に聞いてみたら、知らない人が1人もいなかったほど。HP Mini 1000 Vivienne Tam Editionは女性向けの製品ということになるだろう。
26日に開催されたファッションショーは、ヴィヴィアンさんの日本での活動10周年記念。アジア圏のマスコミ各社ほか、外国人モデルらが多数来場していた。従来の事務的なものからデザインを重視したPCへと大きく舵を切った日本HPもHP Mini 1000 Vivienne Tam Editionの発表でファッションショーに協力しており、絶妙なタイミングでコラボレーションできたのではないだろうか。
●ファッションとの見事な融合。ミニノートは衣装と同じく身に着ける時代に!
会場ではVivienne Tamブランドの衣装を着た外国人モデルによるファッションショーが行われたが、モデルたちはHP Mini 1000 Vivienne Tam Editionを携えている。手に持って颯爽と歩いていると、まるでハンドバッグかポーチでも持っているかのような印象だ。HP Mini 1000 Vivienne Tam Editionが採用するベースカラーは深みのある赤。ピンクになりがちな女性向けモデルが多いPC業界にあっては異端ともいえるカラーリング。トップカバーに大胆にあしらわれた芍薬(シャクヤク)のプリントがアクセントとして鮮やかに映え、ミニノートとしては稀に見るほどの高級感を漂わせていた。なお、芍薬は中国では「繁栄」を表す花である。
HPシニアバイスプレジデント・サジーヌ氏が会見で語っていたことだが、このHP Mini 1000 Vivienne Tam Editionは、9月にニューヨークので開かれたヴィヴィアンさんの2009年春夏スプリングモデルショーの中にも登場。モデルたちと歩きながら紹介された初めてのPCだという。衣服のファッションショーにPCが出てくるのが初ということだなのだが、これからミニノートは衣服と同じように身にまとって使いこなす時代を予感させた。現在、オンラインで商品購入する人の58%が女性であるという調査結果もあり、今後は女性向けのPCというのがひとつのマーケットセグメントになりうるだろう。
●「コレクションの一部」。納得の仕上がりを感じるHP Mini 1000 Vivienne Tam Edition。仕様、価格などの詳細な発表が待たれる
HP Mini 1000 Vivienne Tam Editionのデザインについて、ヴィヴィアンさんは技術的なことを勉強し、素材も考えたりしたそうだ。「今まではPCに対して感情がありませんでしたが、私にとって初めての試みということで、ディテールには非常にこだわりました。ファンションであり宝石のようなものに仕上げることができた」と回想している。採用された深い赤も濃淡を示すことができてよかったという。EnterキーにはDouble Happinessを表す「喜喜」を刻印。全体的に漆のような高い質感となっており、触れてみて、キーを打ってみて楽しめる。「コレクションの一部」とヴィヴィアンさんは語っており、デザイナーとして納得のいくものが出来上がったということをアピールしていた。