KDDI研究所は8日、携帯電話に収めた画像データを、13.1インチのカラー電子ペーパーディスプレイに転送して表示できる、ポータブルビューアシステムを試作したことを発表した。電子ペーパーディスプレイは市販の電子書籍リーダなどですでに採用されているが、携帯電話の画像を表示できるものは今回の試作品が初となる。 電子ペーパーディスプレイは13.1インチ、600×800ドット、4096色カラー表示で、通常の携帯電話のメインディスプレイ(4インチ未満)のほぼ10倍以上の面積となる。携帯電話内に蓄積した画像をメインディスプレイ上のサムネール画像で確認後、赤外線通信(IrDA)インターフェイスにより転送することで、電子ペーパーディスプレイ上に表示する。なお今回開発されたシステムでは、操作はすべて携帯電話のみで行い、電子ペーパーディスプレイ側では電源ボタン以外の操作は不要となっている。 具体的な用途としては、顧客に商品写真を見せるといった、ビジネス現場でのモバイルプレゼンテーションなどが想定されている。従来はノートPCなどが用いられていたが、ポータブルビューアシステムを利用することで、より持ち運びやすく、紛失時のセキュリティ不安も解消できるとしている。 今後は試作したシステムをベースに、実用サービスへの展開を進めていくとのこと。なお、試作システムは「金融国際情報技術展」(10月8日〜9日)において参考出展される予定だ。