米ヒューレット・パッカード社が、プリンティング分野でリテールショップとの連携を加速している。最近同社はオーストラリアの小売チェーン「Harvey Norman OFIS」とパートナーシップを組み、すべての店舗で事務文書やコピー、大判ポスターなど一貫したサービスの提供を開始した。顧客管理や在庫管理に使用できるHP rp3000 Point of Sales(POS)SolutionやHP Color LaserJetや請求書の処理を数日で処理可能にするAutomated Invoice Processing Solutionなども提供。基調講演ではHarvey Norman OFISにおいて、米HPが2005年3月に買収したSnapfishのサービスの開始もアナウンスしている。「プリンターからプリンティング」をうたうように、一貫したプリンティング体験を提供し、他社と差別化を図る。
Snapfishのビジネスモデルは2つある。ひとつはHPがコンシューマを相手にオンラインでサービスを提供する現在の形。もうひとつは、Harvey Norman OFISのようにリテールと組む形だ。香港で開催されたプレスイベントで、SMBビジネスへの展開を記者団から聞かれたChristopher Morgan氏(Senior Vice President,Imaging and Printing Group, Asia Pacific and Japan)は「Logoworksとの関係を考えていただくと、オンラインとリテールといった資産を使ってますます広げていくという機会があるだろうということは考えられるだろう」として、Harvey Norman OFISのケースを今後も拡大していくことを示唆した。ちなみに中国ではマクドナルドともパートナーシップを結んでいる。日本でのリテール市場とのパートナーシップについて「例えばコンビニと組んでいくなどの展開は考えられるか?」との質問には「まだ公表できるものはない」とした。
今日の段階ではアナウンスできることはない。ただ過去18ヶ月のHPの方向性を見ていただくと、Logoworksの買収といったものがある。そのあたりの関係を考えていただくと、オンラインとリテールといった資産を使ってますますビジネスを広げていくという機会があるだろう。Harvey Norman OFISのプレゼンでもあったが、パートナーシップをHPと結んでいるとでリテールがSMB市場にいくということが見て取れると思う。リテーラーのWEBだけではなく、オンラインでバックにHPが存在することが戦略となるのだ。今後はこういったところにも投資をしていき、インストアもオンラインも両方ともやっていくという戦略になる。HPはカラーレザーのラインナップや、オンラインのテンプレートツール、マーケティングの資料をつくるためのアシストといったものにも投資をしている。