東芝は25日、カーオーディオやカーナビなどの車載向けに、Bluetooth通信と音声合成や音声認識などの高度な音声処理を同時に行える高性能Bluetoothチップセットを製品化し、4月からサンプル出荷すると発表した。 新製品は、音声処理用に最高動作周波数208MHzのARM9 CPUコアを2個搭載したBluetoothベースバンド LSI「TC35658IXBG」と、RFCMOS製品で国内初のEDR規格準拠となるBluetooth RF IC「TC31299IXBG」の2製品。「TC35658IXBG」は、Bluetoothの各種Profileが動作する通信コアと音声処理コアを混載し、Bluetooth通信と音声合成や音声認識の機能をアプリケーションごとに効率良く連動処理可能となっているほか、従来比で約2倍の音声処理能力を実現した。「TC31299IXBG」はバイアス電流合成方式による温度補償技術により、動作温度範囲全体にわたって世界トップレベルの受信感度であるマイナス90dBmを実現したという。また送受信切替えスイッチ、入出力パワー整合回路、PLLループフィルタ回路、電源レギュレータをチップ上に混載し、少ない外付け部品で構成が可能になっている。 サンプル価格はTC35658IXBGが4000円、TC31299IXBGが2000円で、ともに09年第1四半期から量産開始。月10万個の量産を予定している。 従来、車載向けBluetoothのアプリケーションは、自動車運転中のハンズフリー通話が主流だったが、近年では音声インターフェイスと連動したBluetoothハンズフリー環境のニーズが高まっている。東芝では、高機能音声処理アプリケーションが実行可能なBluetoothチップセットを発売することで、市場の要求に応えるとともに、今後、車載向けをはじめとするさまざまなアプリケーションに対応したBluetoothチップの開発をすすめ、システムLSI事業の拡大を目指すとしている。
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