富士通は19日、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)より次世代テクニカルコンピューティングサーバ「FX1(エフエックスワン)」を中核とする新スーパーコンピュータシステムを受注したことを公表した。 システムの中核となる大規模並列計算機システムは、3,392ノードの「FX1」から構成され、理論ピーク性能は現行システムの約15倍となる135テラフロップス、総メモリ容量は約30倍となる100テラバイト、総ストレージ容量は約16倍となる11ペタバイトとなる。 新システムは、JAXAの調布事業所において現在稼働中のスパコン「PRIMEPOWER HPC2500」(富士通製)で構成される「数値シミュレータIII」の後継として導入される予定。JAXAでは、今後20年の「JAXA長期ビジョン」において、世界トップレベルの性能を持つ次期基幹ロケット、再使用可能な将来型の宇宙輸送システム、国産航空機の開発に関わる研究や、月・惑星探査の実現などを掲げており、今回導入する新スーパーコンピュータシステムは、概念検討や開発段階における事前評価や設計支援、地上では再現不可能な宇宙環境シミュレーションなどへの利用を通じて、これらのプロジェクトの推進に寄与する。 また、このシステムの他に、大規模メモリ空間を利用した数値シミュレーションのためのベクトル計算機やスカラSMP計算機など複数のサブシステムを設ける予定とのこと。