モバイルブロードバンドを推進しているアッカ・ネットワークスの小松直人氏は、同社が参入を予定しているWiMAXについて紹介した。WiMAXは、半径数キロメートルのMAN(Metropolitan Area Network)において、最大75Mbpsの無線ブロードバンドを実現できる技術だ。同社では現在、モバイルWiMAXを中心に実証実験を進めているところだが、今回のセッションではWiMAXネットワーク全体の構成を中心に解説した。
WiMAXのネットワーク参照モデルは、足回りのアクセス回線を提供するプロバイダー「NAP」(Network Access Provider)と、サービスを提供するプロバイダー「NSP」(Network Service Provider)に大別できる。NAPのファンクションとしては、「ASN」(Access Service Network)があり、ここに基地局や、基地局を束ねるASNゲートウェイが実装される。それぞれをつなぐインターフェイスはWiMAXフォーラムで規定されている。一方、NSPのファンクションとしては「CSN」(Connection Service Network)があり、この部分に認証系の3A(Authentication、 Authorization、Accounting)、DHCP、PF(ポリシー管理)などの機能が実装される。
赤藤氏は、具体的に岡山情報ハイウェイでのDVマルチキャスト実験や、愛知万博中継に向けた非圧縮HDTV over IP伝送実験などについて紹介した。非圧縮で実験しているのは、データの遅延がなく、品質も良いからだという。2006年には、プロ野球交流戦や日本女子ゴルフ選手権などのコンテンツもIPにのせている。