ビジネスソフトウェアアライアンス(BSA)は、2005年1月から12月までの全世界におけるPCソフトウェア違法コピー状況を調査した「第3回BSA・IDC世界ソフトウェア違法コピー調査」のまとめを発表した。 同調査は、PCで使用するすべてのパッケージソフトウェアが対象(メインフレームやサーバ上で使用するソフトウェア、またはサービス内に含まれるソフトウェアは含まない)。ソフトウェアとハードウェアの出荷数に関する独自の統計データを使用し、5,600件の調査をもとにまとめられた。 調査によると、2005年の全世界の違法コピー率は35%、損害額は340億ドル(約3兆8,000億円)、日本のみでは前年同率の28%、損害額は16億2,100万ドル(約1,800億円)。 中国、ロシア、インドなどの新興国、および中央・東ヨーロッパ、中東、アフリカなどで違法コピー率は低下の傾向を見せている。低下率は、ロシア4ポイント、インド2ポイント、中国4ポイント。また、中東・アフリカの26か国中19か国でも減少し、そのうち12か国では2ポイント以上減少している。 ベトナム、ジンバブエは依然9割を上回る高い違法コピー率を示し、インドネシア、中国、パキスタンなども違法コピー率が高い国として挙げられた。また、米国、ニュージーランド、オーストラリア、フィンランドなどの違法コピー率は2割強程度で、違法コピーが少ない国としてランクされる。しかし損害額を見ると、違法コピーがもっとも少ない国とされた米国が6,895億ドルでトップと2位の中国の3,884億ドルを大きく引き離している。3位以下はフランス、ドイツ、イギリスなど先進国が挙がった。●高違法コピー率上位10か国 ベトナム:90% ジンバブエ:90% インドネシア:87% 中国:86% パキスタン:86% カザフスタン:85% ウクライナ:85% カメルーン:84% ロシア:83% ボリビア:83%●低違法コピー率上位10か国 米国:21% ニュージーランド:23% オーストラリア:26% フィンランド:26% デンマーク:27% ドイツ:27% スウェーデン:27% スイス:27% イギリス:27% 日本:28%●高違法コピー損害額上位10か国(単位:百万ドル) 米国:$6,895 中国:$3,884 フランス:$3,191 ドイツ:$1,920 イギリス:$1,802 ロシア:$1,625 日本:$1,621 イタリア:$1,564 カナダ:$779 ブラジル:$766