広瀬すずと木戸大聖、岡田将生が豪華共演を果たす映画『ゆきてかへらぬ』が、ロッテルダム国際映画祭出品作に選出されたことが明らかに。あわせて新場面写真と海外版ビジュアルが一挙解禁された。
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『ゆきてかへらぬ』は大正時代を舞台に、実在した男女3人の壮絶な愛と青春を描いた作品。脚本は『ツィゴイネルワイゼン』や『セーラー服と機関銃』で知られる田中陽造が40年以上前に書いたもので、多くの監督が映画化を熱望していた幻の脚本とされる。
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このたび同映画が、2025年1月30日~2月9日(現地時間)に開催される「第54回ロッテルダム国際映画祭」のビッグスクリーンコンペティション部門に正式出品されることが決定。一般の映画ファンから選ばれた審査員によってアワードを選出し、受賞作はオランダでの公開やテレビ放映も見込まれるという画期的な部門で、根岸吉太郎監督は「先進的な映画を発掘し続けるロッテルダム国際映画祭に『ゆきてかへらぬ』が選出されたことは大変光栄です。オランダの観客の皆さんに、日本の、しかも大正時代の青春の葛藤をどのように受け入れていただけるか、今から楽しみにしています。瓦屋根の織りなす日本の建築の美しさやモガモボの当時のファションを楽しみながら、二人の若者の間を揺れ動く若い女性の激しい生き方(それを演じ切った広瀬すず)に国と時代を超えた深い共感を抱いていただけたらと願っています」と選出への喜びを語っている。
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新たに解禁された場面写真では、駆け出しの女優・泰子(広瀬すず)、不世出の天才詩人・中也(木戸大聖)、のちに”知の巨人”と呼ばれる文芸評論家・小林(岡田将生)の過ぎ去って戻ることのない日々が鮮やかに映し出されている。また海外版ビジュアルは、広瀬すず演じる泰子の危険なほど美しい横顔がクローズアップされたデザインで、才気ある2人のアーティストに同時に愛され、愛によって壊れていく泰子のあどけなさと狂気が混在しているような表情が印象的だ。なお映画『ゆきてかへらぬ』は2025年2月21日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開される。
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<ストーリー>
京都。まだ芽の出ない女優、長谷川泰子(広瀬すず)は、まだ学生だった中原中也(木戸大聖)と出逢った。20歳の泰子と17歳の中也。どこか虚勢を張るふたりは、互いに惹かれ、一緒に暮らしはじめる。価値観は違う。けれども、相手を尊重できる気っ風のよさが共通していた。東京。泰子と中也が引っ越した家を、小林秀雄(岡田将生)がふいに訪れる。中也の詩人としての才能を誰よりも知る男。そして、中也も批評の達人である小林に一目置かれることを誇りに思っていた。男たちの仲睦まじい様子を目の当たりにして、泰子は複雑な気持ちになる。才気あふれるクリエイターたちにどこか置いてけぼりにされたようなさみしさ。しかし、泰子と出逢ってしまった小林もまた彼女の魅力に気づく。本物を求める評論家は新進女優にも本物を見出した。そうして、複雑でシンプルな関係がはじまる。重ならないベクトル、刹那のすれ違い。ひとりの女が、ふたりの男に愛されること。それはアーティストたちの青春でもあった。