フジテレビは、新型コロナウイルスの重症患者の治療にあたる病院を長期取材した上で、同番組を放送。番組では、重症患者が入院する「自治医科大学附属さいたま医療センター」(さいたま市)の病棟内などで、感染防止策を講じた上で、のべ300時間に及ぶ撮影が敢行され、コロナ重症化の実態や医療従事者の献身・葛藤をとらえた。
これまで目にすることのなかったECMO(エクモ=人工肺)の回路交換作業や患者のリハビリの様子などを伝えたほか、病院の資材不足、経営難など、コロナが日本の医療に及ぼす様々な影響を浮き彫りにした。
こうした取り組みにより、「日本社会がコロナ禍に揺れる中で、知られざる医療最前線の実態を収めた映像は後世に残る優れた報道」(日本新聞協会)であることが高く評価され、今回の受賞にいたった。
なお、フジテレビが「新聞協会賞」を受賞するのは、1985年度「日航ジャンボ機墜落事故『墜落現場に生存者がいた!』」、2002年度「シリーズ検証・C型肝炎」、2008年度「ミャンマー軍兵士による長井健司さん銃撃の瞬間ビデオ映像スクープ」、2016年度「鬼怒川決壊『濁流に呑み込まれる家族』のスクープ映像」に続き、5回目のこと。これにより、同局が持つ民放の最多受賞記録を更新することになる。